君がくれた明日は、七色の光を描いている
「そ、そんなんじゃないってば。朝陽くんにはちゃんと、大事な彼女がいるんだから」
「けど、顔赤くない?」
「だから、そんなことないって!」
「紗矢花も素直じゃないなー」
突然、爽やかな香水の匂いに包まれたかと思うと、陽介が男同士でするように肩を組んできた。
目の前にいる朝陽くんに見せつけるみたいに、強く引き寄せられる。
「陽介、重いってば」
腕を退けようとするけど、男の子の力だから、びくともしない。
朝陽くんの方を見ると、表情は若干不愉快なものに変わり、陽介へ冷たい視線を投げている。
「ふざけてないで……、早く離れて」
この凍りついた空気の中。
小声で抵抗する私は、二人のよく似た顔を見比べる。