君がくれた明日は、七色の光を描いている

「――朝陽、ちょっと聞きたいことがあるの」


対峙する二人の間を割ったのは、朝陽くんの彼女、アリサだった。

冷たい空気が一気に溶けて、華やいだ雰囲気に包まれる。


短いスカートから細長い脚が伸び、モデルのような体型が目を引いた。

緩く巻かれた長い髪からは、シャンプーの良い香りが漂ってきそうだ。


朝陽くんがアリサを選ぶのは仕方のないことだと思う。

誰だって、こんな綺麗な子に告白されたら、よほどのことがない限り付き合うはず。


アリサと私は1年のときに同じクラスで。
陽介もそうだった。

2年になって、二人とは別のクラスになったけれど。今度は、朝陽くんが私と一緒のクラスになった。


でもアリサは、小学校のときから朝陽くんを知っているらしく。

中学のときに出会った私よりもずっと、朝陽くんのそばにいるということになる。

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