あなたが居なくなった日。
第一章 二つの音色。
私が君を見つけたのは偶然であり奇跡だったと思う。
「楓、この人誰?」
「どの人?」
「いまスピーカーから聴こえてる声の人」
我ながら変な質問だ。
いまはお昼休み。
そのお昼の放送でスピーカーから聴こえてきたのは初めて聴く音だった。
「綺麗……」
「うんうん。確かにこの声は三咲のどタイプそう」
「え?私のって言うか普通に良くない?」