あなたが居なくなった日。
新田くんはくるりと体を翻し満足気に微笑みながらカバンを自分の肩から下ろす。
「でも私が先に行く。校内を一緒に歩くとか無理すぎ」
「ひどいなぁ。そんなに嫌われちゃった?」
「好き嫌いの問題じゃなくてね?
新田くん、キミは自分がどれだけ有名人か自覚ないの?
そんな人と一般人の私が歩くとか……」
ふと何気無く視線を上げる。
そこにはパソコンの画面で見たあの無表情な男の子が立っていた。
「と、とにかく先に行って待ってる!」
私は逃げた。