あなたが居なくなった日。
第五章 秘密の音色。
一日のやるべき事を全て終えてベッドに横になりながら、何を見るでもなく宙を見やる。
閉めたカーテンからは薄っすらと月明かりが差し込んでいる。
だからオレンジの小さな電気を消しても案外物は見えていた。
ぼうっとしていると思い出されるのは新田くんのことだった。
別に惚れた腫れたってわけじゃない。
ただ如何せん彼はインパクトが強過ぎるのだ。
新田くんって何者なんだろう。
それが私の素直な気持ちだった。
神様も不公平だ。