あなたが居なくなった日。
それを楓は一瞬で推測したのだ。
それが合っているかなんて当の本人である私ですら分からないけど。
だけど何となく腑に落ちた。
もしかしたら心の奥底ではそう思っていたのかもしれない。
学校が終わって、冬休みを迎えて、連絡先なんてもちろん交換していないからもう行動の起こしようもないけど。
でも、高校生活はまだあと二年と数ヶ月ある。
だから、せめてその間だけでも……。
演奏会が終わっても……。
たまにで良いから、いままでみたいに放課後にでも新田くんの音が聴きたいって伝えてみよう。
そんなことを伝えるのは少し怖いけど。
きっと大丈夫。