あなたが居なくなった日。
第六章 消えた音色。
冬休みの二週間は思ったよりもものすごく短くて驚いた。
予定なんて直前に決めた楓とのクリスマスデートしかなかったのに振り返ってみれば意外とやることは詰め詰めだった。
冬休みは楓も特に予定はなかったらしく、私たちは夏休み同様冬休みも地域の図書館に通い一緒に課題を片付けた。
それだけで数日はあっという間に過ぎた。
課題をして、お喋りをしてってやっていると場所こそ違えど、普段の学生生活とさほど代わり映えのないことに何だかホッとした。
年越しには県を二つほど跨いだところにある母方の実家へ行った。
お母さんの実家はピアノ教室を隣接している。
要するにお母さんのピアノはおばあちゃん譲りのもの。
それを強制ではないにしろ私が引き継いだ形になっている。