あなたが居なくなった日。

「あれ?」

いつもの練習室に着いた私はドアノブを回して声を漏らした。

ガチャ、ガチャ。

開かないのだ。

何度回してみても練習室の扉は開かない。

でも、忘れていたけどそれが当たり前だった。

練習室の使用を先生たちが把握できるよう、授業出ない限りは使用の前に鍵を借りに行かないと行けない。

私はその事をすっかり忘れていた。

その理由は至極簡単。

ここ数ヶ月、私は練習室を授業か後は新田くんと過ごす放課後にしか使っていなかった。
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