あなたが居なくなった日。
「三咲も教室通えばいいのに。少しは人見知りが治るかもよ?」
楓には申し訳ないけど私には無理そうだ。
私がその空間に行けたとして、でもきっとその輪の中には入れないだろう。
きっとギリギリに行って速攻帰る。
そんなの目に見えている。
「雨、酷くなってきたねぇ」
返事のない私に楓は話題を変えてくれる。
楓の言葉に空を見上げるとそこには灰色の雲が蓋をするように覆いかぶさって線を描いて水を落としているのが見えた。