あなたが居なくなった日。
自慢じゃないが私は極度の人見知りだ。
そのせいで同じクラスでもこんな風に話せるのは楓だけ。
そんな私にはこの声の人を探し出すなんて到底無理な話。
頼みの綱は楓しかいないのだ。
「ちょ、落ち着け?なんか怖い」
そんな私に唯一の親友がかけた言葉は『なんか怖い』。
これは流石に堪えた。
「はい、落ち着きます」
宣言をしてから深呼吸を一つ。
「すーはー」
二つ。
「はい、落ち着きました」