あなたが居なくなった日。
第二章 青い音色。
午後の授業をこなし終える頃には灰色だった雲は黒く染まり地面にはいくつもの大きな水溜りができていた。
「うわぁ。これ折りたたみで足りるかな?」
我が友はだらしなく机の上に座りながら足をブラブラと揺らしている。
この雨量は流石に寄り道の意思を折った。
それを持て余した私たちは放課後の教室に残ってつらつらと言葉を交わしていた。
「やばそうだよね。なんならいっそのこと学校に泊まっていきたい気分」
「えー、私は遠慮だ。
唯一の食料は私のポッキーと三咲のチョコレートだけだし。
お風呂にだって入りたいし眠るのもベッドがいい。
そもそもが夜の学校なんて不気味じゃん」