あなたが居なくなった日。

が、専攻科だけあって普通の大学って言うのはかなり稀なパターンらしく、節目の定期考査の度に将来を考えろと担任から言われ耳だこだ。

「楓は幼稚園の先生だよね?」

「うん」

そして大方の生徒は楓のように既に進路を決めている。

私みたいに何となくでこの学校に通っているのは極小数だ。

「その反応を見る限りまだ不鮮明だね?」

「おっしゃる通りです。ピアノを弾くのは好き。

音楽に触れているのは好き。だけどそれを仕事にできるかって言うと別。

私にはそんな自信が持てないもん」

「自信ねぇ。そこは永遠の課題だよねぇ」

「うん」
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