あなたが居なくなった日。

「折りたたみだけど、気合入れて帰りますか!」

 楓の勢いに触発されて私もすっくと立ち上がる。

「うん」

 空いた缶をゴミ箱に捨ててお手洗いに寄ってから下駄箱へ向かう。

「これって台風だっけ?」

「いや、ただの雨だろ」

 そこには普段あまり見かけることのない他クラスの男子が二人で外を眺めていた。

「で?お前どうすんの?」

「それなぁ」

「ってか何で傘持ってこなかったんだ?」
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