旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「成暁は本当にいい奴だよ。俺の次にね」

 長谷川さんをじろりと睨む佳奈さん。

 相変わらずいいコンビだ。

 私と成暁さんはこんなふたりのような関係にはなれないけど……。

「ゆっくりと向き合っていければ、とは思っています」

 彼が私を嫌わない限り、私たちは結婚するのだから。

「香澄のことだから、いい答えが見つかるはずね。いつでも相談に乗るから、ひとりで考えこんじゃダメよ」

 にっこりと微笑まれて、私はただ顔を赤くさせることしかできなかった。

 これでも昔は社交的な性格だったんだ。事故以来変わってしまった人との付き合い方を、いとも簡単にまた変えようとしているのは紛れもないあの人で。

 今こうして少なからず本音で話せるようになったのは、彼のおかげだということ。

 なんだか、すっごく、成暁さんに会いたい。

 酔った頭でそんなことを考える自分を素直に受け入れ、賑やかなこの場がとても楽しく感じた。

< 103 / 180 >

この作品をシェア

pagetop