旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 車の前までくると、成暁さんが「ちょっと待ってて」と言って、近くの自動販売機でミネラルウォーターを買って手渡してくれた。

「はい、これ」

「なにからなにまでありがとうございます」

 深々と頭を下げると、頭の上にクスクスと笑い声が落ちてくる。

 ペットボトルの蓋を開けて飲む。

 見られていると飲みにくいな。

 緊張から口が強張り、水をこぼしてしまった。

 わっ。みっともない。

 慌てて服の袖で拭こうとしたら、成暁さんの顔が近づき、唇をぺろりと舐められた。

 ビクッと身体が反応してしまう。

 私の反応を確かめるように顔を覗き込み、いやらしく口角を上げた成暁さんは再び唇を寄せた。

 繰り返されるキスに感覚が麻痺していく。

 抵抗することもなく、与えられる刺激をただ素直に受け止めていた。

 季節はだんだんと冬に移り変わろうとしている。外はこんなにも寒いのに、全身が発熱しているかのよう。
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