旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
愛する心は、庇護のもとに
テーブルウェアフェスティバルは大盛況のうちに終わり、食空間コンテストにおいても、コーディネート部門で優秀賞を取ることができたそうだ。
私も疲れを残しながらも、目立った問題を起こさずいつもの日常を取り戻している。
休日ということで遅めの朝食を叔母さんと取っていた私の携帯電話が、珍しく着信を知らせた。
てっきり成暁さんからだと思い胸を弾ませたのだが、表示されている名前を見て顔が強張る。
ゆみかからだ。
携帯電話なんて仕事以外で使うこともなかったし、特に気にしていなかったから番号もアドレスもずっと変えていない。
ゆみかの連絡先がメモリーに残っていたことすら忘れていた。
着信が止み、ホッと息をつく。
叔母さんは気に留めた様子もなくご飯を頬張っている。そこへ、また携帯電話が鳴った。
「ちょっと電話してくる」
叔母さんに一言伝え、二階の自室へ向かった。着信音は部屋に入ってもまだ鳴り止まない。
これは、出ないと後々面倒なことになりそう。
唾をごくりと飲み込み、意を決して通話ボタンを押した。