旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 降るようにキスを落とされて、服を脱がされ、下着も取っ払われ、隠すものがなくなった身体を成暁さんはじっくりと見下ろす。

「そんなに見ないでください」

 不安で心が潰れそうだ。

 私の場合、ただ身体を見られるのとはわけが違う。痛々しい傷跡が走る肌を、彼はどう思っただろう。怖くて彼の顔が見れない。

「そんな顔しないで。すごく綺麗だから」

 やんわりと微笑んで、私の傷跡に愛おしそうにキスをする姿に胸がきつく締めつけられる。

 自分でも幾つあるのか把握していない傷を、熱い唇がひとつひとつ丁寧に触れていく。

 右手は胸の膨らみに置かれ、まだこれからだというのに、成暁さんが与えてくれるものが気持ちよくて頭がおかしくなりそう。

 私どうなっちゃうんだろう……。
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