旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 成暁さんのキスも身体も熱い。身体が重なり、彼の重みを全身で感じた。

 なにもかもが初めてだから、動作が変わる度に心臓がどぎつく。

 それでも成暁さんは私の不安を鋭く感じ取り、すぐさまほぐして溶かしてくれる。

「大丈夫。痛くしないようにするから」

 初めてが痛いって本当なんだ……。

 ここから先のことを考えたら怖くなり、さっきまであんなに溶けていた身体が一瞬にして強張る。

 成暁さんは私の顔を傾けて耳の後ろにキスをした。唇を寄せながら、生温かい吐息を吹きかけるように囁く。

「見える? 夜景。綺麗だろ」

 言われて初めて気がついた。

 ベッドに横たわりながらも、きらびやかな光の粒が目に飛び込んでくる。

「……綺麗」

 嘆息と共に身体から力が抜けた。

 待ってましたと言わんばかりに、成暁さんの手によって得体の知れない快感に追い立てられる。必死にしがみつこうと彼の首に腕を回すと、くっついた肌から成暁さんの心音が伝わった。
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