旦那様は溺愛至上主義～一途な御曹司に愛でられてます～

　わっ。成暁さん、すっごいドキドキしてる。

　びっくりして彼を見つめると、面映ゆそうにする顔が苦笑いを浮かべた。

　成暁さんでも照れたりするんだ……。

　想いが痛いくらいに伝わってきて視界がぼやけた。込み上げてくる涙を呑み込もうと、ごくりと喉を動かす。

　すると私の様子に気づいた成暁さんの舌に、目の縁に滲んだ涙をぺろりと舐めとられた。

「我慢しなくていい。香澄が強くあろうとするのは応援したいし、見守りたいとも思っている。でも、時には甘えて、頼っていいんだ」

「これでも甘えて頼っているつもりです」

　それに、これ以上はただの迷惑になるんじゃないのかな。

　肩を落とすと、成暁さんが柔らかく微笑む。