旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
自分の言動がそんなにもおかしなものだったのかと、恥ずかしくなって縮こまっていたけれど、楽しげに笑う姿を見ていたらだんだんどうでもよくなってきた。
宝来部長って、こういう笑い方もするんだ。当たり前だけど、同じ人間なんだよなぁ。
彼が高貴な人なのでどうしても偏った見方をしてしまいがちだけど、佳奈さんや長谷川さんと話していた時も、どこにでもいる人間の振る舞いだったことを思い出す。
それでもやっぱり、いきなりキスをする発言とか、やることが次元を超えているけれど。
「香澄は可愛いなぁ」
まるで、今日は天気がいいなぁとでも言っているかのような軽さ。
こんな人と本当にやっていけるのかな……。
一抹の不安を感じながらも、こうして宝来部長との交友が始まったのだった。