旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 前にも増してテンションが高いなと思ったけど、もうアルコールが回ってるのかな。

 最初はどう接していいのか悩んだけど、基本的に彼の言動は流していいものだと分かってきた。

 高校の同級生というだけあって、彼等の会話は途切れることなく弾んでいる。

 私にはこういった仲間と呼べる人たちはいないので、見ているだけで新鮮だし、少しばかり羨ましい。

 ちょっとだけしんみりしていたら、正面に座る成暁さんが話しかけてきた。

「なに飲む? 皆揃ったから乾杯するみたいだけど」

「ああ……えっと、梅酒のソーダ割りにしようかな……」

 成暁さんは店員を呼んで、佳奈さんの分も含めたビール三杯と、私の飲み物も頼んでくれた。

 会話をしながらも、ちゃんと周りを見ていたことに感心する。

 それから全員に飲み物が行き渡ったのを確認した長谷川さんが乾杯の挨拶をすると、一気に場の雰囲気が騒がしくなった。
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