旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
真顔ですらすらと喋る私を、成暁さんは物珍しそうに眺めている。
ひとごとみたいな顔しちゃって。誰のせいでこんな面倒なことになっていると思ってるのよ……。
説明を受けた佳奈さんが、ビールジョッキを飲み干して「なるほど」と納得する。
「世間って狭いのねぇ」
「ほんとだよなぁ。それにしても成暁に先を越されるとは……」
既に三杯目のビールを飲んでいる長谷川さんの呂律が怪しい。
成暁さんも同じペースで飲んでいるけれど、少しも酔った様子が見られない。
お酒強いのかな。
新たな一面を発見したことに胸が弾んだのを自覚して、穴を掘って入りたくなった。
こんなことで浮かれるなんてどうかしてる。