旦那様は溺愛至上主義～一途な御曹司に愛でられてます～

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　放送されたテレビショッピングが予想以上に反響があり、急遽私と佳奈さんふたりが、テーブルウェアフェスティバルに参加することとなった。

　東京ドームで開催されるこの国内最大級のイベントに、宝来陶苑は毎年出展しているが、技術職である私や佳奈さんが足を運ぶのは初めてのこと。

　参加するといっても、非力の私たちは展示販売するブースに立って、お客様に商品の説明をして接客をするだけ。

　と思っていたのに、成暁さんから聞かされた言葉に耳を疑った。

「ふたりは美しくコーディネートされた食卓の前に立ってもらう。とにかく華やかに見せたいから、スーツ以外の服を着てきて」

　ありえない。私が綺麗な服を着て大勢の人の前に立つ？

　想像しただけで血の気が引いていき、あと少し会議が長引けばその場で倒れていたかもしれない。

　外の空気を吸ってなんとか回復したものの、顔色は相変わらず悪いまま。

　心配してくれる佳奈さんに貧血気味だと伝えると、精力をつけるためにご飯に行こうと誘われた。

　いつも通り断ろうと思ったけれど、いつもよくしてくれる佳奈さんの誘いはさすがに断りづらい。あまり気は進まないけれど、懇親会で利用した古民家居酒屋へ行くことになった。