学園バトル! ヤンキーねーさんに恋する俺
今回は彩目線でお届けします。


あたしがカウントダウンを始めると、馬鹿野郎を初めとする雑魚共が逃げ出す。

全員が消え去ったのを確認してから、ホット肩をおろした。

はあー。ちょっとイタズラにも、程があったかも。
本当は、この前のデート(仮)の仕返しってことで、あの馬鹿を本気でやっつけるつもりだったんだけど。
なんかさ。
いざとなると。

出来なかったんだよね。

多分、それだけ、好きなのかな……。
でも、そんなこと、あいつの前では絶対に認めない。
表情に出てしまわないようにする為にも、あいつに部下を連れてこさせたんだから。
二人きりだと、絶対にボロが出る……。

でも、呼んだにも関わらず、やっぱり戦えません、なんて言ったら。
あいつがどんなに嬉しそうな顔をするか。
想像しなくても分かる。

だから、あたしの意思も含めて、ああいうやり方で、今日は終わらせた。

多分、あの単細胞のことだから、
「俺をからかってる!」
って思ってるんだろうけど。

あれは、
「あたしも好きだから、戦いたくない」
ていう意思表示だ。

気づいた時、あいつは、どんな顔をするだろうか。

今夜はしばらく眠れそうになかった。
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