2人の時間
「諒…?」
琴音は自転車をとめて、また俺の顔を覗き込んだ。
「ちょっとー、ホントに大丈夫?1人で帰れる?」
帰れます。
に、しても、近い。
近いよ?琴ちゃん?
ついに俺は我慢できなくなって、
琴音を抱き締めた。
「ひゃっ!り…諒っっ??道っ!ここ道だからっ!ねっ!?」
ねっ!?…って、もう遅いし。
この時間はあんまり人とおらねぇから。
「琴音。」
「なにぃ゙ー?」
抵抗をやめた琴音は、俺を睨み付けてきた。
近くにあった壁に琴音を押し付けると
「わっ!諒?」
琴音はあきらかビックリしていた。
気にしないで、
琴音と俺の顔の距離を少しずつ縮めていった。
もう琴音は落ち着いていて何もしなくなっていた。
あと少し……。
キスするために
顔を傾けた。
その瞬間……
「……あれっ?」