彼と彼女の花いちもんめ~意地悪王子の包囲網~
南野篤樹。
あたしが人生で初めて好きになった男の子。
彼との出会いは小学生の時。
当時暮らしていたマンションが同じだったのだ。
当時のあたしは、小学校5年生にして、身長150センチ、体重65キロの肥満児童だった。
マンションの廊下を歩けば、小錦のお通りだ!と幼馴染の男の子たちからからかわれ、
駆けっこに参加すれば、ゴジラが走った!と騒がれた。
そして、そんな男の子を拳で畳む、という毎日を送っていた。
まあ、つまり、女版ガキ大将だったわけだ。
当然、あたしを女の子扱いしてくれる男の子なんている筈も無く。
あたしに泣かされて怖がる男の子か、遠目からクスクス馬鹿にして笑う男の子か、
豪快にネタにして騒ぐ男の子。
このどれかしか、あたしの世界には存在していなかったのだ。
けれど、彼は違った。
いつものように、小学校から帰宅して、マンションのエスカレーターに乗り込むと、すぐ白から、彼、南野さんが駆け込んできた。
同じ階に住んでいたあたしと彼はすでに顔見知りだった。
「依子ちゃん、今帰り?」
「うん」
恥ずかしくて俯いたあたしの後を追うように、数人の小学生が同じエレベーターに乗り込んできた。
あたしが人生で初めて好きになった男の子。
彼との出会いは小学生の時。
当時暮らしていたマンションが同じだったのだ。
当時のあたしは、小学校5年生にして、身長150センチ、体重65キロの肥満児童だった。
マンションの廊下を歩けば、小錦のお通りだ!と幼馴染の男の子たちからからかわれ、
駆けっこに参加すれば、ゴジラが走った!と騒がれた。
そして、そんな男の子を拳で畳む、という毎日を送っていた。
まあ、つまり、女版ガキ大将だったわけだ。
当然、あたしを女の子扱いしてくれる男の子なんている筈も無く。
あたしに泣かされて怖がる男の子か、遠目からクスクス馬鹿にして笑う男の子か、
豪快にネタにして騒ぐ男の子。
このどれかしか、あたしの世界には存在していなかったのだ。
けれど、彼は違った。
いつものように、小学校から帰宅して、マンションのエスカレーターに乗り込むと、すぐ白から、彼、南野さんが駆け込んできた。
同じ階に住んでいたあたしと彼はすでに顔見知りだった。
「依子ちゃん、今帰り?」
「うん」
恥ずかしくて俯いたあたしの後を追うように、数人の小学生が同じエレベーターに乗り込んできた。