彼と彼女の花いちもんめ~意地悪王子の包囲網~
失恋とラーメン
南野さんが選んだ、たった一人の女の子。

本物の可愛い女の子だから、みちるさんは、選んで貰えたんだ。

あたしみたいに、名乗り上げなくても、馬鹿みたいに空回りしなくっても、

ちゃんと見つけて貰えたんだ。

あたしじゃダメだった。

駄目、だったんだ。




「・・・っ・・・」

あんなに平気だと思ったのに。

恋なんてしなくてイイ、と思ったのに。

あたしはあの場所が、こんなにこんなに欲しかったのだ。

南野篤樹の彼女に、どうしてもなりたかった。


綺麗になっても、どんなに痩せても、そんなの何の意味も無かった。

だってあの人は振り向かない。

「くやしい~っ・・・」

声に出したら泣けてきた。

ウォータープルーフマスカラも意味がない程、あたしは思い切り号泣した。
彼の腕の中で。
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