彼と彼女の花いちもんめ~意地悪王子の包囲網~
彼と彼女の馴れ初めは
「っへ!?え、っちょっと、なにして」
「一人で出てこれないなら、迎えに行くしかないでしょう」
「いいんですっ!靴だけ置いてって貰えたらっ」
「そりゃあ無理だなー、この状況でほっぽり出されたら、きみ困るでしょ?」
「いえっ、全然、お構いなく!」

むしろほっぽって行って欲しい!
この居た堪れない状況で二人きりとか、そっちのほうがやりきれない。

「ふーん、んなこと言って、この後残業終わった組がゾロゾロ出てきたら困るんじゃねぇの?」
「っ!!!」

痛いところを突かれてあたしは押し黙る。
それもそうだ、そうだった。

「す、すみません、助けてくださいっ」

いつものぶりっ子も忘れて思い切りよく頭を下げる。
思わず学生時代の部活並にお辞儀をしてしまった。

と、そこで気づく。
スカートは植木の上に被さった状態。
身体を半分捻って答えたあたしが、90度にお辞儀をしたら。
結構いい具合にスカートの中が色々丸見えなんじゃないの!?

慌ててももう遅い。
あたしが真っ赤になって顔を上げたら、彼は呆れた様に笑った。

「いやー真後ろに回ったら良かったな」
「っ何言ってるんですかっ!」

一瞬でも恩義を感じた自分が馬鹿だった。
やっぱりほっといて!と言い返したくなる。

が、それを口にする前に、彼の手がスカートへと伸びた。
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