君が可愛くて仕方ないんだよ。

涙で視界はぼやけていたけど、
なんとなくわかった。

「大丈夫だよ」


ぎゅっ、っと繋がれたその温かい手は、私の不安をすっかり忘れさせていた。

体中がぼわって熱くなってる。
私はその人の後ろ姿から目が離せなかった…。



その後、私は担任の先生に偶然出会って
入学式に途中から参加することができた。

気づいたらあの人はいなくなっていたけど、
お礼言いそびれちゃったな……。

名前なんて言うんだろ、って記憶に残っている。




そんな去年の春の日。


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