花束に、気持ちを込めて。

「あ……たし、髪 直して くる!」
「お、おう」

逃げるように立ち去った。
あのまま近くにいれば、あたしには聞こえない、心臓の音が、たくみに聞こえてしまいそうな気がして。

鏡に映る自分は いつもどうり。
何も、変わってない。

ただ、頬が少し赤いだけだ。

どうか、気づかないで。……私の気持ち。


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