花束に、気持ちを込めて。
たくみくんに好きな人がいる……。
たくみくんに好きな人が?
好きな人がいるの!?

「つ、きあっ てる の?」
「いいや、片思い。」
「そっか……」

たくみくんなら両思いになれるよ とか
頑張って!応援してるよ とか。

言うべきなんだろうけど。

あたしの口は、うまく動かない。

「そっ……か……。」
「詩織?」
ハッとした。

同じことを2回繰り返し言っていたらしい。

「なんでも ない。 よ!」
その時のあたしは、上手く笑えてなかったかもしれない。

じんわりと涙が浮かんだ。

「外……の空気 吸って 来るっ……!」

もう一度にげるように、走ってしまった。
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