君と計る距離のその先は…
続いて届いたメールは私を驚かせる内容だった。
『真野のお陰で今から眠れそうだ。
ありがとう。』
『私は、何も……。』
どちらかと言えば迷惑をかけている。
お礼を言われる立場じゃない。
『どんな形であれ、真野に頼られて嬉しい。
だから迷惑だなんて思わないでくれ。」
開いた目からは涙がこぼれた。
「やっぱり情緒不安定だ。」
自嘲気味に呟いて涙を拭きつつ玄関のドアを慎重に開けた。
ドアのノブには温めていないパスタにサンドイッチ、おにぎりにお茶。
他にもたくさん入ったずっしり重たそうな袋がかかっていた。
「フフッ。何人前?」
橘さんの優しさが心に染みて再び涙がこぼれた。