君と計る距離のその先は…

 そんなことを思いながら、ふと目に入ったゴミ箱の中。
 置いてあった同じ紙らしきものがクシャッと丸めて捨ててあった。

 それを手にして広げてみると同じ文章が並んでいて書き損じたものらしい。

 けれど途中まではほぼ同じ内容。
 そして最後の一文を読んで再び胸が高鳴った。

 それは置いてあった方には書かれていない一文。

『明日も真野に触れたい。真野、好きだよ。』

 コテンとベッドに再び横になって熱くなる顔をベッドへうずめた。

「恋は劇薬。本当にそうみたい。」

 シワシワの紙を胸に抱いて目を閉じた。

< 135 / 192 >

この作品をシェア

pagetop