君と計る距離のその先は…
終業間際にメールが届いていたことに気づいて帰り道に確認した。
最初の一文が目に飛び込んで来て、うわっと声を漏らした。
『今日、会いたい。』
どこまでも真っ直ぐな橘さんに苦笑しつつも鼓動は速まっていく。
下にはまだメールが続いていた。
『酔って帰ると鍵をよく失くすからポストの裏側に鍵を封筒に入れて貼り付けてある。
その鍵を使って。
俺のマンションで待ってて欲しい。』
鍵の管理に心配しつつ、続きを読んで携帯に顔をうずめたくなった。
『遅くなりそうだけど会いたい。
寝て起きて夢でしたってなりたくない。』