君と計る距離のその先は…

「違っ。違いますよ!
 今年、入社した浜田さん。」

「あぁ。なんだ。浜田さんか。」

 浜田さんは今年入社の女の子。
 大人しそうで、控えめで、席で一人お昼を食べている。
 少し前の自分を見ているみたいで、なんとなくつらい。

 もちろんそれは大きなお世話で、声を掛けたって迷惑かもしれない。
 自分だってそっち側だったくせにって思いがないわけでもない。

 けど……。

「いいよ。
 今日、ちょうど私もお弁当だし。」

「あぁ。そういうことなら私もパン買ってくるよ。」

「上川さん、、永野さん、、。」

 温かい2人に感動して泣けそうになっていると上川さんは笑って私へ言葉をかけた。

「いいって。先に行ってて。
 なんなら真野ちゃん「一緒に食べない?」って誘っておいてよ。」

 そう言われるとドキンッと心臓が飛び跳ねるけど、私は笑顔を向けて「はい。先に行ってますね!」と頭を下げて再び職場の方へ足を向けた。

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