君と計る距離のその先は…
橘さんだって呼ぶ度に糖度が上がっていくような呼び方だったくせに。
そんな文句は言えなかった。
そうさせたのは自分かもしれないと、いつもの私なら自意識過剰だって打ち消すような思いが浮かぶ。
「ごめん。俺、うざいわ。
今日、朝一番の話し相手って俺?」
「えぇ。そうなりますね。」
「ヨッシャ。」
小さく聞こえた声にガッツポーズしている様子まで目に浮かんで微笑んだ。
「いい加減、切るな。
朝飯ガッツリ食べろよ。」
「フフッ。橘さんも。」
「あぁ。じゃ真野が切って。
俺、名残惜しくて切れる気がしない。」
「もう。大袈裟です。切りますよ?」
「あぁ。」
「失礼します。」
朝からほんわりした気持ちになってベッドに横になった。
今、思い出すだけでも顔が緩んでしまいそうで、きっとヤバイ顔してる。