手と手を繋いで。
朝のミッション。

浅木舞中三女子。
突然ですが、同じクラスの田村と付き合っています!
ひゃー言っちゃった!
1回宣言したかったんだよね!
え?何故友達に言わないか?
それは、付き合っていることをないしょにしてるからさ!
うちのクラスは、めんどくさいから。
バレたらおしまいって訳。
田村はバスケ部のエースだから、デートには、ろくに行けない。
だから、バレないようにどうやってイチャつくか。
それが、あたし達の付き合い方。
今回は朝のミッション!
偶然を装って、2人で登校するんだから!

もうすぐ、例の時間になる。
その時間にこの曲がり角を曲がれば、絶対に田村がいる。
そして、
「田村おはよう、偶然だねー」
と、声をかければこっちのもの。
でも、毎日それをしているとさすがにバレるので、週に3回だけ、偶然2人で登校、をするのだ。

もうすぐ。
3 2 1!
よっし!
「たーむら!おはよう 偶然だ、ね……」
しまった。
全然知らない後輩に声を掛けてしまった。
「あ、人違いでした。」
おっかしいなー
もうとっくに時間なってるのに。
「浅木!おはよう!偶然じゃんか!」
その声は!
「田村!」
いつから!?
イツカラソコニイタ!?
「あはは!ちょっと驚かせたくて。尾行してた。」
ええー!
「なんだぁ、びっくりした!」
そのまま並んで歩き出す。
「たまには俺からも、おはよって言わせろよ」
「えっ?」

田村の声は、私にしか届かなかった。

「うん。」

バレないように。
こっそりと。
手と手を繋いで歩いて行こう。
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