【短】愛しい声
あぁそういうことか。
わかったよ、なんで健が仕事のあるあたしを『またね』って言って簡単に帰ってしまったのか
もともと神崎先輩と約束があったのか
あたしが仕事なのをいいことに、気になっていた神崎先輩と帰ろうと誘ったんだ
いや“気になっていた”じゃなくて“好き”なのかもね
考えてみればさぁ
見てみ、あの二人
すごいお似合い
背が高くて、程よい筋肉がついてる体つきでかっこいい顔の健
背は高くても健よりは程よく小さくスタイル抜群で綺麗な神崎先輩
だれもが憧れるカップル
神崎先輩とは対象的なあたしは、健とは釣り合ってなかったのかな
微かに聞こえる二人の笑い声
そして聞こえた。はっきりと
「梨華」
神崎先輩の下の名前を呼ぶ君の声