その笑顔、私のモノ


「彩子ちゃん、嫉妬…してくれたの?」


漣がびっくりしたように聞いてくる。

嫉妬…モヤモヤしていたこの気持ちは嫉妬だよね…

梓が、漣の事をかっこいいと言ったり、話しても、別に何も思わない。
だけど、有坂さんが漣と話したり、2人で居るのを見るとモヤモヤする。
なかなか素直になれない私は、ぷいっとそっぽを向きながら小さく頷いた。

すると、漣は「あのね…」と話し始めた。


「仕事だから、僕も普通に接してるけど、正直…有坂さんのあれは嫌だ。
あのぶりっ子も別に可愛いと思わないし…
僕が可愛いと思うのは、彩子ちゃん1人だけだよ。
抱きしめたいと思うのも…
触れたいと思うのも…
イチャイチャしたいと思うのも…

…全部、彩子ちゃんだけだよ?」


途中から、聞いていて恥ずかしくなる。
聞き終わったころには、耳まで真っ赤に染まっている。
チラッと少し目線を上げると、漣と目があった。

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