その笑顔、私のモノ



「ねぇ、これは?」


私は、映画の題名を指さしながら、そう言った。
その映画は海外のアクション物で、漣も好きそうなやつだ。


「うん!いいよ〜
じゃあ、ちょっと待ってて。」


漣は私を隅で待たせて、チケットを買いに行った。
チケット売り場も結構混んでいたので、時間がかかりそうだ。
だから、私はその間に飲み物を買うことにする。

売店でも少し並んでいたけど、スムーズに買えた。


「オレンジジュースとカフェモカとポップコーンください。」


漣の好きなオレンジジュースとポップコーンも付けて頼む。


「かしこまりました。1200円になります。」


お金を支払って、頼んだものを引き換えに受け取る。
早くしないと、漣が戻ってきちゃうと思い、急いで、さっき居た場所に戻った。
私が戻るのと同じくらいに、漣もチケットを持って戻ってくる。


「あれ?彩子ちゃん、買ってくれたの?
ありがとう〜!」


漣はびっくりしながらも、ニコッと笑ってそう言った。


「漣、オレンジジュースで良かった?」


いつも飲んでるし、好きなの知ってるから他の頼むより、いいと思ったんだけど…


「もちろん!
さすが彩子ちゃん。僕の好きな物分かってるね!」


漣は、私が漣の好みを知っていたくらいで、とっても嬉しそうにしてくれる。
実は、そんな姿を見るのも好きだ。


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