その笑顔、私のモノ
私が次に目を覚ましたのは、太陽が高く登りきってからだった。
スッキリした気持ちで起きる。
…はっ…!!
しごと!!
遅刻だと思って、焦ったらベットから転がり落ちた。
落ちた時に、すごい音がする。
「いっ…!!」
お尻から落ちて、ぶつけた所が痛い。
すごい音がしたからか、部屋の外をバタバタと走る音がして、勢いよくドアが開いた。
「彩子ちゃん!?大丈夫??」
焦ったように入ってきた連絡は、洗濯物を干していたのか、私のTシャツを握りしめながら入ってきた。
「だ、大丈夫。」
勢いに、ポカンとしながらも答える。
それに今ので一気に目が覚めた。
でも…あれ…どうやって帰ってきたんだっけ?
昨日の記憶をたどって、少しずつ思い出してくる。
たしか、漣のケータイに有坂さんから電話がかかってきて…
で、堪えきれなくなって、逃げ出したんだ。
それで、どっかで遥人に会って飲みに行ったんだった。
で、たしか、寝ちゃったんだよね…
遥人は漣の連絡先なんか知らないはずだし…
そこまで考えたとき、ふと見た夢をおもいだす。
漣が私をお姫様抱っこでどこかに連れていってくれる夢だ。
もしかして、漣が探して迎えに来てくれたの…?
そこまで考えて、はっと漣を見る。
「あ、彩子ちゃん…?」
考えを巡らせていたのに、いきなり顔を上げた私に漣はビックリしたらしい。