その笑顔、私のモノ


タオルを水で濡らし、きつく絞ってリビングに持っていく。
ソファーに座って上を向いたまま、腫れた目にタオルをあてた。

しばらく、じっとして腫れが引くのを待つ。

10分くらいたった頃、腫れは半分くらいに引いて、だいぶ治まっていた。
このくらいなら、メイクで何とかできそうだ。

時間も余りないので、漣の作ってくれたご飯を食べ、身支度を済ませる。
もちろん、ご飯は全部食べた。

いつもより、少し厚塗りのメイクをし終わった時は家を出る2分前だった。
やばい…、遅刻しちゃう。
急いで仕事用のバックを持って、家を出た。

なんとか、いつも通りの時間に家を出ることが出来て、私はゆっくり職場に向かった。
今日は雨も降っていなくて、風も気持ちがいい。
歩いていると、時々私の髪を風が持っていく。
職場に着く頃には、私の中のモヤモヤしていた気持ちも一緒に風が持って行ってくれた。

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