その笑顔、私のモノ
私はどうしたらいいんだろう…
頭の中がごちゃごちゃで、どうしたらいいのかわからない。
会いたいという気持ちと、会いたくないという気持ちがぐるぐる回ってる。
自分でも、矛盾しているってわかってる。
だからこそ、余計にわからなくなっていった。
「彩子…仲直りするまでって言ったけど、あんた明日帰りな。
で、ちゃんと話してきな?
彩子の想いをちゃんと言ってぶつけたら、山本さんは聞いてくれると思うよ?
それに一週間経てば、話ができるような内容なんでしょ?なら、そんなに悪い話をするわけじゃないと思うけど…。
浮気なら、そんな勿体ぶらないと思うし…」
梓が、混乱していた私を見てそう言った。
そう言われて、確かに…と思う。
浮気なら、誤ってくるか、すぐ認めるか、別れを切り出されるか…だと思う。
だけど、漣は違った。
浮気じゃないって言っていた。
何のための一週間かは分からないけど、漣の言い方を思い出してみても悪いことじゃないような気がしてきた。
梓の言葉で、落ち着いて冷静に考えられた気がする。
「梓、私明日帰るね…」
決心したように私が言うと、梓は満足したようにうなずいた。
今までずっと、モヤモヤしていたのに今は妙にスッキリしている。
本当は今すぐ帰りたいけど、さすがにこの時間に行くわけにはいかない。
電車は動いてないだろうし、家は会社を通り越していくから結構距離がある。
今帰るのはあきらめて、梓と並んで布団に入り目をつぶった。
昨日あまり寝れなかったのもあり、気が付くと私は夢の中だった。