その笑顔、私のモノ
「漣…。こんな私を好きでいてくれてありがとう。」
言っていて、恥ずかしくなる。
まだ抱きしめあったままだったので、漣の肩に顔を埋めて赤くなったであろう顔を隠した。
漣は、そんな私をさらに抱きしめた。
「彩子ちゃん…もぅ、可愛すぎ…
そんな顔、僕以外に見せないでね?」
そう言った漣の顔をチラッと見たけど、私に負けないくらい赤くなっていた。
漣も同じ気持ちなんだと思うと、嬉しくなる。
お互いの顔の熱が引くまで、そのままくっついていた。
だけど、漣が唐突に口を開く。
「彩子ちゃん…?僕と結婚しよ?」
ビックリするほど、自然に言った。
不安だったことは消えたし、もう答えは決まってる。
「はい…!」
そう答えた瞬間、なんだか急に漣と結婚するんだという実感が湧いてきて、胸が高鳴った。
「やったー!
彩子ちゃん、絶対幸せにするから。」
子供のように喜んでいる漣に、思わず笑がでる。
だけど、漣の言った言葉を聞いて、私はそれだけで幸せいっぱいな気持ちになれた。
「絶対幸せにしてね!
…私だって、幸せにするんだから…。」
自信満々で言っていたのに、あとの言葉は恥ずかしくて小さい声になる。
漣はそんな私も愛おしいと言うように、微笑んでいた。