その笑顔、私のモノ
「さぁ、明日もあるし、寝よっか?」
漣が明るく話を変えるのうに、そう言う。
明日…?
でも、明日って休みだよね…
なんでだろう?
そう思っていると、漣が理由を教えてくれた。
「彩子ちゃん、指輪一緒に取りに行ってくれる?」
そうだった…。
本当はプロポーズは明日言うつもりだったって言っていたもんね。
それが、今日になっただけで指輪が出来上がるのは変わらないんだからしょうがない。
「うん。一緒に行ってあげてもいいけど!」
相変わらず、素直に行きたいと言えない私。
普通に行くと言えればいいのに…。
だけど、漣がどんな指輪を選んだのか楽しみだ。
仲直りしたので、漣と一緒に布団に入る。
あまり眠くなかったはずなのに、久しぶりの温もりに、とても安心できて、すぐに睡魔に襲われた。
「おやすみ、彩子ちゃん…」
愛おしいと言うように、漣は微笑みながら私の頭をポンポンした。
「ん、おやすみ…」
漣の声と優しい手に、さらに安心して落ち着く。
私はそう言い終わる頃には、もう眠の中だった。