その笑顔、私のモノ
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翌朝、漣の腕の中で目が覚める。
「おはよ。彩子ちゃん?」
目を開けると、既に起きていた漣と目が合う。
「ん…、はよ…。」
漣の温もりに、開いた目がまた閉じそうになる。
トロンとした目を擦っているけど、漣の言葉を聞いて一瞬で目が覚めた。
「その眠そうな顔も可愛いけど、そろそろ起きて指輪取りに行かない?」
忘れてたわけじゃないけど、寝起きでぼーっとしていた頭では何も考えていなかった。
そういえば、漣にプロポーズされたんだった…
目も覚めたので、楽しみでワクワクした気持ちが押し寄せる。
「漣!早く行こ!」
まだパジャマで、着替えてすらいないのにベットから飛び起きて、漣を引っ張る。
起きてすぐなのに、はしゃぎ出した私を見て、漣も笑顔になっている。
「そうだね。でも、彩子ちゃん着替えてからね?」
私の手に引かれながらも、布団から出た漣は冷静にそう言った。
「うん!」
漣を引っ張り出した私は手を離して、急いで着替えるために部屋を出た。