その笑顔、私のモノ
漣と同棲を始めて、もう半年になるけど甘い雰囲気になることはそんなに無かったから。
たまにイチャイチャしたりはするけど、普段は仕事もあるから、普通に暮らしているだけ。
ベッドは一緒だけど、だからといって何かある訳では無い。
漣はイチャイチャしたいみたいだけど、いつもそうなる前に私が寝てしまうことが多い。
というか、そんな雰囲気になってきたら、私が逃げている。
経験が無いわけではないし、漣の事が好きじゃないっていうわけでもない。むしろ、初めは押しに負けて、まぁいいかくらいの付き合い始めたけれど、色々知ってからは、むしろ好きになっている。
だから、なんだか無駄に構えてしまう。
身体をゴシゴシと擦りながら、色々考えているうちに、気がついたら全身泡だらけになっていた。
いつもより、少しだけ丁寧に隅々まで洗ってから、シャワーで流す。
柄にもなく、今更、緊張するなんて…
私らしくも無い。
ただ、色々考えたところで、変わるわけでも無い。
待ちくたびれた漣が入ってくるかも…
そう思ったのもあり、これ以上入ってても、逆上せるだけなのでそろそろ出ることにした。