双子の弟と幼なじみ
うちの中学は人数が少なくて、僕たちが入学する数年前に陸上部が廃部になっていた。


だから、足の速い悠宇は夏休み前、大会に出るためだけに集められる、応募制の臨時部活だけで活動していた。


それでもまぁ、それなりの結果は持って帰ってきていたけど。
…地方大会までのめり込んでたか。




そして、学校の門を出て、僕を振り返る。




「ねー、ふーくん。
…お家はどこ?」




もう既に二週間通っている高校と家の間の道を覚えられない方向音痴。
それが立花美優というやつである。






* * *



「ただいまぁ」




鍵を開けてすぐ、誰もいない家の中に向かって自分の帰りをお知らせするみぃ。


靴を揃えるととっとと部屋へ上がっていってしまう。




僕は、2人分の靴を下駄箱にしまうと、自分の部屋で制服を脱いだ。




あー…今日の晩御飯どうしよ。


その前に洗濯物回したいな…あーでも今日から悠宇は遅いから後でいいのか。
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