双子の弟と幼なじみ
別に僕はみぃ以外に興味ないから全然わかんないんだけど。




「ねえねえっ、美優ちゃんっ」


「…どしたの」




かすかに聞こえてくるのは、温度差のある2人の会話。


まぁ、みぃからすればこれが当たり前でこれが楽みたい。


それを理解してくれているであろう田谷さんには感謝する、ほんとに。




「そう言えば歩宇くんは、芸術の選択何にしたの?」




突然振られる質問に少し焦りながらも返す。




「音楽だよ」


「あー、そうなんだー、歩宇くん歌上手いんだねー
その流れでいくと、悠宇くんも?」


「んーん。悠宇は音痴だから。いろんな意味で画伯だしね。書道選んでたよ」


「あははっ、そうなんだー」




みぃは絵が上手だから美術だよ、なんて答えたくなってしまうのを押さえ込んで、箸を動かす。




流れた会話は終了して、黙り込む。




チラリとみぃの方を見直すと、もうご飯を食べ終わってるみたいだった。
< 30 / 82 >

この作品をシェア

pagetop