双子の弟と幼なじみ
「家に何もないから買って帰らなきゃだけど」


「…オムライス食べたい」


「ん、じゃあ買って帰ろうか」



そして僕たちはスーパーに向かう。




みぃは、何を持ってないのが手持ち無沙汰になってしまったのか、僕の空いている左手の人差し指と中指をつかんだ。


…子どもか。



流石に手をしっかり握る勇気はないらしい。




…それにしても、身長は同じなのに案外手は小さいものだ。


まぁ、僕が中学のころ、バスケしてたからそう感じるのも、あるかもしれない。


バスケットボールはそこそこのサイズあったし。




突き指を知らないみぃの指はすらりと長くて、細くて形がいい。


みぃも手だけは気に入っているようで。


「お母さんに似てて嬉しい」と、よく言っていた気がする。


顔もだいぶ似てるんだけどね。




スーパーに着くと、みぃはすっと手を離して買い物カゴを入れたカートを押す。




「お買い物」


「ん、そうだね。順番に行くからお菓子コーナーは後だよ」


「…うぅ」
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